どんな機能か
自分の言語でも、書くことの問題は残ります。
もともと日本語で話しているなら、問題は翻訳ではなく表現です。AUREON は、その場で出てきた日本語を整った文章にします。言い直しも繰り返しも落とし、読む相手にふさわしい調子で。そして、同じ日本語から書く言語として英語を選ぶこともできます。言語をまたぐ作業が実際に始まるのは、そこからです。出てくるのは、使う前に確認できる文章です。
これを書いておくのは、このページが言語別のページの並びの中にあるからです。日本語で話して日本語で書くことは、翻訳ではありません。表現の磨き上げ、つまり中身には手を触れず、形だけを整える処理です。考えを書き換えることも、足すこともしません。
理由は単純です。話す日本語と書く日本語は、思っているより離れています。話すときは二度言い直し、「えっと」「なんか」を挟み、文を言い切らないまま、書き言葉なら言葉で示すところを抑揚に預けます。ディクテーションが返してくるのは、まさにそれです。整えるのは、そのあとの手作業になります。
もうひとつの軸が、相手との距離です。同僚への社内連絡と、クライアントへの文面は、含まれる事実こそ同じでも、敬語の高さも、慎重さの量も同じではありません。誰に宛てるのかを話せば、その調子で文章が出てきます。
そして相手が日本語を読まないなら、同じ手順のまま行き先だけが変わります。書く言語として英語を選べば、話した内容が英語で出てきます。それが本当の意味で言語をまたぐやり取りで、日本語から見たとき、いちばん多い組み合わせです。
ほかと違うところ
文字起こしで手に入るのは言葉です。文章はまだ手元にありません。
話した日本語をそのまま文字にしたものは、正確でありながら、そのまま送れる文章にはなりません。役に立つのは、読む人にどう届くかまで踏まえたときです。
言い淀みは残していい
言い直しも、間も、途中で終わった言い回しも、話した内容にそのまま残してかまいません。出てくる文章のほうを、はっきりした形に整えます。頭の中で先に文を組み立てる必要はありません。
敬語の高さは、あなたの意図に従う
日本語では、相手との関係が文末の形に表れます。誰に宛てるのか、どれくらい改まって響かせたいのかを話してください。その意図が高さを決めます。どの相手にも同じ調子、ということにはなりません。
いつも作業している場所で確認する
出てくるのは、メッセージ・返信・メモ・共有のための文章です。読んで、自分の判断が要るところを直し、使ってよいと決める。自動で送られることはありません。
使い方
話した日本語から、書かれた日本語へ。必要なら英語へ。
ショートカットを押して話す
考えを丸ごと自然に話してください。誰に宛てるのか、どれくらい改まって響かせたいのかも一緒に。ブラウザの録音機能を用意する必要はありません。AUREON の Mac アプリの中で動きます。
書く言語を選ぶ
日本語のままなら、整った日本語の文章が出てきます。相手が日本語を読まないなら英語を選んでください。粗い話し言葉が、意味と相手との距離感を保ったまま、その言語の完成したメッセージになります。
受け取る人の目で読む
使う前に、名前・日付・約束したことを確認してください。日本語では、敬語の高さが相手に合っているかも見てください。出てくるのはあなたが握っている下書きであって、自動で送られることはありません。
ふつうの仕事の日に
言葉と同じくらい、敬語の高さが効いてくる場面。
以下は説明のための例で、実際のお客様の結果ではありません。効いてくるのは、ぎこちない文よりも、調子の取り違えのほうが痛手になるメッセージです。
クライアントへの返信
日本語の音声:クライアントに、資料は見た、相談したい点が二つある、明日電話すると伝えて、フォーマルに。
資料を拝見いたしました。ご相談したい点が二点ございますので、明日お電話いたします。
改まった形になっているのは、そう頼んだからです。「二点」が「いくつか」に丸められることはありません。
チームへの短い連絡
日本語の音声:えっと、チームに、ログインの件はまだそのままで、見てはいるけど、今日中に出せるかはわからないと伝えて。
ログインの問題は未解決のままです。対応は進めていますが、本日中に解消できるかはお約束できません。
確信のなさはそのまま残ります。「今日中に直します」とまとめたほうが読みやすく、そして事実と違います。
相手が日本語を読まないとき
日本語の音声:打ち合わせのあとに要約を送れると伝えて。
I can send the summary after the meeting.
ここからが本当に言語をまたぐやり取りです。向きを決めるのは選んだ書く言語であって、話す言語の設定ではありません。
用途で選ぶ
表現を磨くこと、単語を引くこと、書き取らせること。この三つは別の仕事です。
| ユースケース | AUREON | ふつうの翻訳ツール | 日本語のディクテーション |
|---|---|---|---|
| 出発点 | 自然な日本語の音声 | 入力した日本語 | 日本語の音声 |
| 出てくるもの | そのまま送れる文章 | 逐語訳 | 素の日本語の文字起こし |
| 敬語の高さ | 話した意図に従う | 多くは調子が固定 | 話したまま。保たない |
| Mac での作業 | 書いている流れの中で完結 | 別のアプリかページ | 同じ言語の文字のみ |
| 向いている用途 | そのまま送れる日本語と英語 | 短い訳の確認 | 同じ言語のメモ |
判断はご自身で
役に立つ場面と、立ち止まるべき場面。
出てくるものは下書きとして扱ってください。公的な翻訳ではありませんし、対面のやり取りで通訳の代わりになるものでもありません。
得意なこと
日々の書かれたやり取り
- 日本語と英語、どちらの向きでも
- メールの下書きと返信
- 報告・メモ・リマインダー
慎重に
重みのある言葉
- 法律・医療の表現
- 契約条件
- 敬語の高さが実際に効くメッセージ
対象外
同時通訳
- 会議のリアルタイム通訳
- 公的な翻訳
- 話していない事実の補完
使い始める前に
日本語の音声入力について、よくある質問。
目の前の作業が日々のやり取りなのか、専門家の確認を要するものなのか。判断の材料にしてください。
01AUREON は Mac で日本語の音声入力ができますか。
できます。日本語で話して、Mac の上で整った日本語の文章を受け取れます。Language Bridge を使えば、話した日本語から整った英語を作ることもできます。送る前に確認する下書きであって、同時通訳ではありません。
02日本語で話して英語で書けますか。
書けます。日本語で話し、書く言語として英語を選べば、粗い話し言葉が、意味とトーンを保った完成した英語のメッセージになります。使う前に確認できます。
03英語で話して日本語で書けますか。
書けます。向きを決めるのは選んだ書く言語であって、話す言語の設定ではありません。英語で話して日本語を選べば、出てくるのは日本語の文章です。英語のほうが速く出てくる場面で、日本語の相手に自然に読めるメッセージを書きたいときに使ってください。
04これは日本語から英語への音声翻訳ですか。
一般に音声翻訳と呼ばれるものと重なりますし、どちらの向きでも動きます。ただし、知っておく価値のある違いが一つあります。翻訳ツールが目指すのは、あなたが言った文をそのまま置き換えることです。AUREON が目指すのは、あなたが書いたであろうメッセージを作ることです。だから、粗い話し言葉を節ごとになぞるのではなく、組み立て直せます。出てくるのは、送る前に確認する文章であって、同時通訳ではありません。
05敬語や日本語の丁寧さの段階は扱えますか。
AUREON は、どれだけ改まっていたか、どれだけ丁重だったかを運びます。日本語では、その意図が文末の形を決めます。ひとつの調子に落ち着くわけではありません。誰に宛てるのか、どれくらい慎重に響かせたいのかを話してください。ただし敬語の高さは、AUREON からは見えない人間関係に左右されます。大事なものを送る前には必ず読んでください。
06これは日本語のディクテーションと同じものですか。
違います。日本語のディクテーションは通常、日本語の音声を素の日本語のテキストにするだけです。AUREON は粗い話し言葉を整え、意味を保ったまま、そのまま送れる日本語に、あるいは英語など別の言語の自然な文章にできます。