Mac の音声コマンド。操作するのか、文字を入れるのか、仕事を任せるのか。

Mac で「音声コマンド」と呼ばれるものには、三つの違う仕事が混ざっています。Apple が用意しているのは、そのうち二つ。どれがほしいのかがわかると、いちばん時間が浮きます。

AUREON

話した指示

料金の打ち合わせについてメモして。第 4 四半期のレビューまで 29 ドルで据え置きと決まった。

確認できる新規作成の結果

新規メモ:料金の打ち合わせ — 第 4 四半期のレビューまで $29 で据え置き。
金額はそのまま作るだけ、送らない使う前に確認

アクセシビリティの設定で音声コントロールを有効にして、話しかける。

システム設定を開き、サイドバーの「アクセシビリティ」をクリックし、「音声コントロール」を選んで有効にします。あとは「メールを開く」「完了をクリック」「下にスクロール」のように話しかけるだけです。いつでも「コマンドを表示」と言えば、いま使っているアプリで何が使えるかを見られます。これが、声で Mac を操作するための Apple 標準の機能で、操作と制御が目的なら、たいていこれで全部です。

Apple は音声を二つの別々の機能に分けています。Mac の音声コマンドをめぐる混乱のほとんどは、その二つを取り違えることから起きます。音声コントロールは画面を操作します。Apple の言い方では、デスクトップやアプリを移動し、画面上のものに触れ、文字の入力と編集も行います。ディクテーションは、カーソルの位置に文字を入れます。設定の場所も別々で、音声コントロールはアクセシビリティ、ディクテーションはキーボードにあります。そして Apple は、音声コントロールが有効なあいだ、それが標準のディクテーションに取って代わると述べています。

三つ目の仕事は、そのどちらでもありません。操作を順にクリックしたいわけでも、一文を打ちたいわけでもない。結果を一度説明して、確認できる下書きか、新しい項目が用意されているようにしたい。AUREON は、その三つ目のために作られています。AI の入力・ワークフローの層であって、Mac を操作する道具ではありません。音声コントロールの代わりにはなりませんし、画面上の任意の操作部品を動かすこともありません。

話し終えたときに何が存在していてほしいかで決める。

マイクは同じです。違うのは、クリックを期待しているのか、一文を期待しているのか、仕上がった仕事を期待しているのかです。

Mac を操作するなら音声コントロール

トラックパッドを使わずに、クリック、スクロール、アプリの切り替え、画面の移動をしたいとき、Apple 標準の答えがこれです。自分で調整できるコマンド一覧と、対話形式のチュートリアルもあります。

文字を入れるならディクテーション

言うべき文がすでに決まっていて、カーソルの位置に入れたいなら、こちらのほうが近道です。話しながら「、」「改段落」といった句読点も口にできます。

結果そのものが目的なら AUREON

結果を一度説明したいとき。整理された下書き、対応する別の言語の文章、あるいは連携アプリの新しいメモ・ページ・予定。AUREON がその一歩を組み立て、新規作成のみ(既存の変更・削除は行わない)の結果を、あなたが確認できる形で残します。

Mac の音声コマンドを設定し、一覧を見つけ、動かないときに直す方法。

01

アクセシビリティの設定で音声コントロールを有効にする

アップルメニューからシステム設定を開き、サイドバーの「アクセシビリティ」をクリックし、「音声コントロール」を選んで(下にスクロールが必要な場合もあります)有効にします。これはディクテーションとは別の画面で、ディクテーションは「キーボード」の下にあります。違うほうを見てしまうことが、自分の Mac には音声コマンドがないと結論づけてしまう、いちばん多い理由です。

02

標準のチュートリアルでコマンドを覚える

同じ音声コントロールの画面で「チュートリアルを開く」をクリックすると、基本のコマンドを対話形式で練習できます。一覧を読むより速いのは、文脈の中でコマンドを見せてくれるからです。

03

「コマンドを表示」で、いま使えるものを見る

使えるコマンドは、いるアプリと、していることによって変わります。だから、その場の一覧のほうが、どんな記事よりも当てになります。いつでも「コマンドを表示」と言えば出てきます。

04

コマンドの全一覧を見る、探す

システム設定の「アクセシビリティ」から「音声コントロール」の「コマンド」に進むと、対応しているものがすべて見られます。チェックボックスで個別にオン・オフでき、検索欄から言葉やフレーズで探せます。コマンドをクリックすると、説明と使い方の例が表示されます。

05

自分のコマンドを作る、別の Mac に持っていく

独自のコマンドを作れますし、コマンドの画面の右下から「カスタムコマンドを読み込む」「カスタムコマンドを書き出す」で持ち運べます。書き出しは、コマンドのまとまりを二台目に移す現実的なやり方です。

06

切るのではなく、聞き取りを止める

「聞き取りを停止」と言えば音声コントロールが一時停止し、「聞き取りを開始」で再開します。打ち合わせのあいだにほしいのは、たいていこちらです。機能ごと切ってしまって、状態を失わずに済みます。

07

動かないときは、まずここを見る

確かめるのは音声コントロールの中からです。システム設定の「アクセシビリティ」にある「音声コントロール」は独自のマイク設定を持っていて、音声コントロールが聞いているのはそちらです。先にサウンド設定を見てしまうのが、よくある回り道です。外付けのマイクを使うなら、自動のままにせず、明示的に指定してください。次に、本当はディクテーションを使いたいのに音声コントロールが有効になっていないかを確かめます。Apple の説明どおり、有効なあいだは標準のディクテーションに取って代わるので、ディクテーションのショートカットはキーボード設定の説明どおりには動きません。最後に、期待しているコマンドがコマンド一覧で有効になっていて、いまのアプリで使えるかを確かめてください。使えるものは文脈によって変わります。

コマンドを並べるより、結果を説明したほうが早い二つの場面。

以下は説明のための例で、実際のお客様の結果ではありません。どちらも、事実・金額・意図が変わらずに残って初めて役に立ちます。

打ち合わせのあとに残す

話した内容

料金の打ち合わせについてメモして。第 4 四半期のレビューまで 29 ドルで据え置きと決まって、Marta が経理に確認する。

AUREON の出力

料金の打ち合わせ — 第 4 四半期のレビューまで $29 で据え置き。Marta が経理に確認。

金額も、条件も、担当も保たれています。メモは確認のために作られるだけで、Marta に何かが送られることはありません。

別の言語で残したメモ

話した内容

Apunta que el contrato de Atlas hay que revisarlo antes del viernes por la tarde.

AUREON の出力

Atlas の契約 — 金曜の午後までに確認する。

期限とその但し書きが、言語をまたいでも生き延びています。AUREON が作るのは新しいメモで、すでにあるものを編集したり、予定を組み直したりはしません。

音声コントロールで足りる場面は、製品ページが認めたがるより多い。

AUREON を足す価値があるのは、確認できる文章か、作られた項目がほしいときです。画面を操作したいときではありません。

ユースケースmacOS の音声コントロールAUREON
主な役割声で Mac の画面を操作する話した意図を下書きか新しい項目にする
よくある指示「完了をクリック」「メールを開く」「下にスクロール」「料金の打ち合わせについてメモして」
結果画面の操作が実行される確認待ちの下書きか新しい項目
独自のコマンド作成・読み込み・書き出しができるカスタムエージェントがトーン・書式・守るべき線を持つ
言語をまたぐこと本来の役割ではない対応する別の言語で確認できる文章を作れる
既存の内容への操作いまのアプリと文脈で使える画面の項目とコマンドを操作する新規作成のみ。送信・削除・上書きはしない

音声コントロールで使える機能、コマンドの組み合わせ、設定は、言語・地域・macOS のバージョンによって変わることがあります。いまの動作は、お使いの Mac のシステム設定で「アクセシビリティ」から「音声コントロール」を確かめてください。

確認済みの情報源: Apple Support: Use Voice Control commands to interact with your Mac, Apple Support: Customize Voice Control on Mac, Apple Support: Change Voice Control settings for accessibility on Mac, Apple Support: Commands for dictating text on Mac.

マイクではなく、必要な結果で選ぶ。

仕事を終わらせられる、いちばん力の小さい道具を使ってください。そのうえで、細部がひとつ変わるだけで意味が変わるものにだけ、余分な確認を残します。

Mac に何かをさせたい

  • クリック・スクロール・画面の移動
  • トラックパッドやキーボードを使わない作業
  • 名前を付けられる画面操作の繰り返し

あとに何かが残ってほしい

  • 下書きに形を与えたい、粗い考え
  • 連携アプリに残すメモ・ページ・予定
  • 対応する別の言語での文章

細部ひとつで結果が変わる

  • 名前・金額・日付・否定・約束
  • 確認されずに送られたり実行されたりするもの
  • 法律・医療・お金など重みのある表現

Mac の音声コマンドと音声コントロールについて、よくある質問。

まずは Apple がすでに用意している機能から始めてください。別の層を足すのは、確認の必要を隠さずに、実際の手間をなくしてくれるときだけです。

01Mac で音声コマンドを有効にするには、どうしますか。

システム設定を開き、サイドバーの「アクセシビリティ」をクリックし、「音声コントロール」を選んで有効にします。見つけるのに下へスクロールが必要な場合もあります。有効にすれば、「メールを開く」「完了をクリック」のように話しかけられます。これは、キーボードの下にあって文字入力を担うディクテーションとは別の設定です。

02Mac の音声コントロールとディクテーションは、どう違いますか。

音声コントロールは画面を操作します。クリック、スクロール、アプリを開く、移動する。設定はアクセシビリティにあります。ディクテーションは、話した言葉を文字カーソルの位置に打ち込みます。設定はキーボードにあります。Apple は、音声コントロールが有効なあいだ、それが標準のディクテーションに取って代わると述べています。つまり、音声コントロールを有効にすると、ディクテーションのショートカットの振る舞いが変わります。

03Mac の音声コマンドの全一覧は、どこにありますか。

システム設定の「アクセシビリティ」から「音声コントロール」の「コマンド」に進むと、全一覧が見られます。言葉やフレーズで検索でき、どのコマンドをクリックしても説明と例が出ます。いまこの瞬間に使えるものを知りたいなら、「コマンドを表示」と言ってください。使えるものは、アプリと、いましていることによって変わります。

04Mac で自分の音声コマンドを作れますか。

作れます。音声コントロールは独自のコマンドに対応していて、コマンドの画面の右下にある「カスタムコマンドを読み込む」「カスタムコマンドを書き出す」で、別の Mac に移せます。書き出しは、二台目を手で組み直さずに整える現実的なやり方です。

05Mac の音声コマンドが動かないのは、なぜですか。

三つを順に確かめてください。まず、システム設定の「アクセシビリティ」から「音声コントロール」を開き、そこにある独自のマイク設定を見ます。音声コントロールが入力元を選ぶのはそこで、サウンド設定ではありません。だから、システムの入力だけを変えても効かないことが多いのです。次に、期待しているコマンドがコマンド一覧で有効になっていて、いま使っているアプリで使えるかを確かめます。組み合わせは文脈で変わります。三つ目に、話しても文字が出てこないなら、ディクテーションのつもりで音声コントロールが有効になっているのかもしれません。Apple は、有効なあいだは標準のディクテーションに取って代わると述べています。

06音声コントロールを切らずに、Mac の聞き取りを止めるには。

「聞き取りを停止」と言えば止まり、「聞き取りを開始」で再開します。機能ごと切るより、たいていこちらのほうが望ましいはずです。設定も、独自のコマンドも、そのまま残るからです。

07標準の機能以外に、Mac の音声コマンドのソフトはありますか。

Apple の音声コントロールが Mac の操作を、ディクテーションが声での文字入力を引き受けます。どちらも macOS に含まれていて、多くの人にとってはそれで全部です。追加のソフトを考える価値が出てくるのは、別の仕事のためです。粗い話し言葉から確認できる下書きを作る、対応する別の言語で書く、連携アプリにメモ・ページ・予定を残す。AUREON は、その三つ目のために作られていて、音声コントロールの代わりではありません。

08AUREON は Mac の音声コントロールの代わりになりますか。

なりません。音声コントロールは Apple のアクセシビリティであり、Mac を操作するための機能です。デスクトップやアプリを移動し、画面上のものに触れ、いま作業しているアプリで使えるコマンドを使います。Apple も、使えるものはアプリと、していることによって変わると述べています。AUREON は、文章と、対応アプリでの新規作成のみの動作のための AI 入力・ワークフローレイヤーです。画面の操作部品を動かすことはまったくありませんし、アクセシビリティの代わりでもありません。

09AUREON は音声でメールやメッセージを送れますか。

送れません。AUREON の対応する流れは、設計として新規作成のみです。下書きを用意したり、対応アプリに新しい項目を作ったりはできますが、送信、削除、既存の内容の上書きは、その外にあります。結果は、あなたが確認して自分で動くために、見える形で残ります。

10AUREON が音声で項目を作れるのは、どのアプリですか。

音声での Voice Command が現在作れるのは、Apple Notes の新しいメモ、Notion か Flomo のページ、Obsidian の Markdown のノート、Apple Calendar の予定です。いま音声で使える行き先は、この五つです。何かが作られる前にどれだけ確認するかは、行き先と、話された内容がどれだけ揃っていたかによります。その一歩がどうなるかは、それぞれの連携のページに書かれています。

11音声コントロールは、すべての言語で使えますか。

使える範囲、コマンドの組み合わせ、設定は、言語・地域・macOS のバージョンによって変わります。一般的な一覧を当てにせず、ご自身の Mac でシステム設定の「アクセシビリティ」から「音声コントロール」を確かめてください。そこに出ているコマンドが、あなたの環境で実際に使えるものです。

12Siri は Mac の音声コマンドと同じものですか。

違います。Siri は質問に答え、Apple が定めた範囲の頼みごとを引き受けます。音声コントロールは画面を直接操作し、自分で見て調整できるコマンド一覧に沿って動きます。特定のボタンをクリックしたい、声でウィンドウを移動したいなら、使うのは音声コントロールです。

Mac を操作するなら音声コントロールを。確認できる結果がほしいなら AUREON を。